大判例

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東京地方裁判所 昭和51年(行ウ)150号 判決

一 コンパニー・プシネイが原告主張のような本件原出願及び本件分割出願をしたこと、被告が昭和五〇年一一月一三日付書面をもつて右訴外会社に対し、本件分割出願にかかる発明は本件原出願にかかる発明の実施例として示されたものであつて、別発明とは認められないので、出願日の遡及は認められないとの本件通知をしたことは、当事者間に争いがない。

二 そこで、まず本件通知が行政事件訴訟法第三条第二項に規定する「行政庁の処分その他公権力の行使に当たる行為」に該当するか否かにつき判断する。

特許庁審査官は、分割特許出願がなされた場合、その出願にかかる発明が特許要件を充足するか否かの審査に先立つて、所定の分割の要件の存否につき判断する必要があるところ、右分割の要件についての判断は、その内容を出願人に通知すべき旨を定めた法条が存しないことからみて、本来、審査官の内心においてなされれば足りるものというべきである。しかるに、被告が前記訴外会社に対し前述のような内容の本件通知をしたのは、専ら審査の適正を期すべく、分割の要件の有無につき出願人に意見を述べる機会を与えるためであつたと推認される。換言すれば、本件通知は、本件分割出願における分割の要件の有無につき、被告がその見解を事実上前記訴外会社に対して開陳したものであるにとどまり、それ以上のものではないというべきである。したがつて、出願人としては、本件分割出願につき出願日の遡及が認められなかつた結果、拒絶査定がなされたような場合には、右拒絶査定に対する不服の審判あるいはその審決に対する取消訴訟において、改めて出願日の遡及を主張することができるものである。

原告は、本件通知を取消しておかなければ、後日本件分割出願につき出願日の遡及を主張しえなくなるかのように主張するが、その不当であることは前に説示したところから明らかである。

三 以上の次第であつて、本件通知は、出願人の権利義務に対し何らの影響を及ぼすものではなく、いわゆる行政処分には該当しないから、その取消を求める本件訴えは、その余の点につき判断するまでもなく不適法であつて、却下を免れない。よつて、本件訴えを却下する。

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